君が救ってくれた
嵐「で?何があったの?」

うちはこれまでのことを話した

輝蘭「だから、今夜だけでいいから
泊めて下さい。お願いします。」

嵐「うーん、しょうがねぇな
今夜だけだぞ?」

輝蘭「ありがとう」

来たついでに今聞いてしまおう

輝蘭「立木先生は」

嵐「二人のときは嵐でいいよ」

輝蘭「嵐はうちを知っているのか?」

嵐「知ってた、二、三年前くらいから。」

輝蘭「は?」

嵐「俺は志(こころ)の生き別れた兄だ。
お前と志が付き合う寸前に別れた。
別れた後も志とは連絡を取り合ってた。」

そう、うちが言っていた「あの人」とは
「志」という人。
うちの彼氏。彼は1年前
バイクの事故で死んだ。
連絡を取り合っていたなら
嵐は志の死を知っているのだろう

嵐「俺もお前に聞きたいことがあった」

輝蘭「何だ?」

嵐「俺は志が『死んだ』ということ
だけ聞かされた。
だが、死んだ原因などは聞いてない。
輝蘭は知っているのか?
それをずっと彼女であるお前に
聞きたかった」

事故の原因は知らされてないのか
一瞬ためらった
その時を思い出したくなったから。

ふぅっとため息をつき
話す覚悟を決めた

嵐が兄であるなら知っておくべきだろう
と思ったから

輝蘭「1年前…





























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