さよならリミットブルー

「ははっ……なんだよその返事。変なヤツ」


変なのは碧人くんの方だよ。

北上さんと一緒に居て何か考え方が変わったのかな。


ーーううん、それよりも。


「……っと、わぁ!すごい景色綺麗だなぁー!」


これ以上碧人くんと目を合わせていたら熱くて倒れてしまいそう。

だって碧人くんすっごい笑顔なんだもん。

眩しすぎてドキドキする。


強引に視線を逸らして、外の景色を眺め始めた。

茜色に染まった街並みが淡く滲んで確かに綺麗。

まだ夏なのに今だけ秋がきたみたい。


観覧車に乗ったのはたぶん小学生以来だと思うけど、こんなに素敵な景色が見れる乗り物だったんだね。


「乗ってよかっただろ?」

「うん……!」


ゆれる街並みに目を奪われていたところだっが、視線の端に気になるものが映った。


観覧車の扉付近に刻まれた金色の文字。

なんだろう?


えーっと………。


「『この観覧車では、頂上でキスを交わすと願い事が叶うというジンクスがあります』……….?へぇ、すごいロマンチックなジンクス!」


さすがはデートの定番遊園地。

こんなジンクスまで用意されてるんだなぁ。

< 191 / 313 >

この作品をシェア

pagetop