男子と会話はできません
14(side.H)


教室に市ノ瀬がやってきた。


「隼人」


「何?」


「話があるから来い」と、唐突に言った。


いつもなら、高塚にも声をかけていくのに顔さえ見ずに廊下に出て行くものだから、これは良い予感と悪い予感どっちが当たるのかと考えながら市ノ瀬の後をついて行った。


階段をのぼって、屋上前の踊場でようやく足を止めた。


「話があるんだよ」


「さっき言った」


「だよな」


ちょっと緊張した感じが伝わってくる。その顔できっと当たるのは、悪い予感だってわかった。


「羽麗ちゃんと付き合うことになった」


「そっか。おめでとう」


「……」


「……」


「それだけ?」


「他に何か言ってほしいことでもあるの?」


「だって、お前」と、呼び出した本人がなぜか焦ったようにわたわたしている。
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