男子と会話はできません
23(side.H)

真壁からの文化祭を一緒に回ろうなんていう誘いを受け流したままにしていたけど、朝、すれちがったとき、「今日、待ってるから、中庭で」なんて声をかけられた。


即座に断ろうと思ったけど、真壁は小走りで立ち去ってしまった。


さすがにあそこまで言われると、聞かなかったことにはできない。


迷路の受付を石川と交代して、そのまま中庭に向かう。途中、廊下で立ち止まっている高塚を見つけた。視線の先には市ノ瀬がいて、あれは確かマネージャーか。話している二人をただ見つめていた。


声、かけづらいのか。何を考えて見つめているんだろう。そう思うと、辛いという言葉がぴったりだった。


昨日の放課後のことは覚えている。高塚の戸惑った声や、ぬくもりに触れてしまったせいか、今日は意識して声をかけれないでいた。だけど、平然を装って高塚に声をかけた。

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