男子と会話はできません
「なに、考えてた?」
「あ、花火きれいだなって」
「嘘。全然見てないでしょ」と、苦笑した。
「大事な連絡でもきた?」
「えっ?」
「スマホ」
「きてないよ」と、巾着の中にしまった。
「そんな顔してると、俺、全然集中出来ないよ」
「あっ、ごめんね。スマホばっかりいじって感じ悪かったよね」
「スマホって、いうか……他の誰かのことを考えてるのは、やっぱり気になるよ」
「……」
隼人くんは、わたしの顔を見た。そのまま、そっと近づいてくる。わたしは目をぎゅっと閉じた。
キスされる。そう思ったんだ。