男子と会話はできません

「つうかそれで、あんな動きしたわけね。あたしは最近なんであんたと友達なのかわからなくなってきたよ」


杏奈が言った。


「えへ」


「えへじゃないから」


来週、わたしの通う西高校と北高校、東高校との運動部の交流戦、三高定期戦が行われる。その壮行式があるから、杏奈と移動しながら昨日の市ノ瀬くんとの放課後の出来事を説明した。


「まあ市ノ瀬と仲良くなって損はないんじゃない？」


「んー。でもなんか冗談だったみたいだしね？」


「はっ？なんで？」


「さっき目あった気がしたけど、話しかけられなかったし」


「気づかなかっただけじゃない？」


「そうかな？からかわれたんだと思ったんだけどなー」


「ふうん。なんかよくわかんないけどさ、気になるなら自分から話しかけてみたら良かったんじゃない？」