男子と会話はできません
東高に着いて、前もって指定されていた駐輪場に自転車を停めた。
二人乗りしている間、ポツポツと声をかけてくれた隼人くん。
付き合う前の頃みたいに、すごく自然だったから、わたしもそうしようと明るく振る舞ったけど、上手に話せなくて何度も噛んだし、イントネーションがおかしかった。
「本当に、ありがと」
「いいよ」
「今日、あれだね。陸上部も定期戦の競技入ってれば良かったね」
「場所ないんだろーな。でもまあ見るのも嫌いじゃないから別にいいよ。高塚のほうが大変じゃない?スポーツとかそんなに見ないだろ」
「見てわかるのって、バドミントンくらいだから。隼人くんの言う通りだな」
バスケを応援しに来てと言われたけどあまりルールに詳しくないしな。集中してみれるかな。
「高塚、帰りも送る?」
「えっ……でも……それは悪いよ」
「近所だし。気にしないでよ」
そっか。そうだよね。普通だよね。こういうのってきっと。
隼人くんが、何ももう気にしていないのなら、受け入れたほうがいいのかな。
そう思って、頷いた。