鬼系上司は甘えたがり。
 
な、なんということだろう、多賀野くんの再就職先がまさかこのホテルだったとは……。

しかも奥平さんの部下として鍛えられている最中だなんて、なんていう偶然なんだろうか。


「多賀野くん、おめでとう!ホテルの仕事に興味があったんだね!言ってくれたら私だって協力できたのに、もう、水臭いよ〜……」


仕事中だというのに、感激で涙腺が緩む。

でも、これからはちょくちょく多賀野くんの顔を見に来られるし、奥平さんが上司なら安心だ。

これなら主任もさぞかし安心したことだろうと思い、私の隣りで多賀野くんを見上げたまま目を瞬かせている主任の肩をバシバシと叩きながら「ね、主任もそう思いますよね!」とテンション高めに同意を求める。
 

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