夢が繋げた未来~何度倒れても諦めないで~
「あークソ!!やっぱり負けた……!!」
高岡くんは悔しそうに顔を歪めている。
勝負の結果は圧勝で私の勝ちだった。
まあ、平泳ぎと自由形では仕方がない事だけど。
「さっき自分で勝てる訳ないって言ってたじゃん」
「ばーか!勝負に絶対はねぇだろ?」
それはつまり勝つ気でいたと。
「……ナメるな馬鹿たれ」
「はぁ!?
前まで泳げなくてウジウジ言ってたくせに!」
「ちょっ……いつの話よ!?」
「いつって……。
経った数カ月だ!!」
ギャーギャーと言い争っていると上からパンパンと手を叩く音が聞こえてくる。
「高瀬さん」
「せ……先生?」
プールサイドを見れば先生が手招きをしていた。
「高岡くんも来てください」
「へ?俺も……?」
私たちは首を傾げながら先生の元へと行く。
気が付けば部員たちは誰1人いなかった。
その代わりに先生の後ろに若い男の人が立っていた。
先生と同じくらいの年の人だ。
お友達かな?
そう思っていれば隣から煩い声が聞こえてくる。
「原田 彰人(はらだ あきと)選手!?」
「……知り合い?」
隣で驚いている高岡くんに小声で尋ねる。
「はぁ!?
水泳馬鹿なのにオリンピック選手を知らねぇのか!?」
その声に先生はクスリと笑い、男の人は苦笑いを浮かべていた。
高岡くんが大声で言うから先生たちに聞こえちゃったじゃん。
凄い失礼じゃん私。
「す……すみません」
私は原田選手に頭を下げる。
「謝らなくていいって!」
ニコヤカに笑う原田選手は先生とは違った優しさが滲み出ていた。
「先生!原田選手と知り合いなんっすか!?」
すっかり興奮気味の高岡くんは先生をキラキラとした目で見ていた。
「原田くんは僕の同級生です」
「蒼井……せめて友達って言ってくれ」
先生の言葉にタメ息をつきながら原田選手は訂正を求めていた。
先生のお友達か。
私はチラッと原田選手を盗み見る。
服の上からでも分かる筋肉質の体。
日焼けして黒くなった肌。
いかにもスポーツ選手って感じだ。
高岡くんは悔しそうに顔を歪めている。
勝負の結果は圧勝で私の勝ちだった。
まあ、平泳ぎと自由形では仕方がない事だけど。
「さっき自分で勝てる訳ないって言ってたじゃん」
「ばーか!勝負に絶対はねぇだろ?」
それはつまり勝つ気でいたと。
「……ナメるな馬鹿たれ」
「はぁ!?
前まで泳げなくてウジウジ言ってたくせに!」
「ちょっ……いつの話よ!?」
「いつって……。
経った数カ月だ!!」
ギャーギャーと言い争っていると上からパンパンと手を叩く音が聞こえてくる。
「高瀬さん」
「せ……先生?」
プールサイドを見れば先生が手招きをしていた。
「高岡くんも来てください」
「へ?俺も……?」
私たちは首を傾げながら先生の元へと行く。
気が付けば部員たちは誰1人いなかった。
その代わりに先生の後ろに若い男の人が立っていた。
先生と同じくらいの年の人だ。
お友達かな?
そう思っていれば隣から煩い声が聞こえてくる。
「原田 彰人(はらだ あきと)選手!?」
「……知り合い?」
隣で驚いている高岡くんに小声で尋ねる。
「はぁ!?
水泳馬鹿なのにオリンピック選手を知らねぇのか!?」
その声に先生はクスリと笑い、男の人は苦笑いを浮かべていた。
高岡くんが大声で言うから先生たちに聞こえちゃったじゃん。
凄い失礼じゃん私。
「す……すみません」
私は原田選手に頭を下げる。
「謝らなくていいって!」
ニコヤカに笑う原田選手は先生とは違った優しさが滲み出ていた。
「先生!原田選手と知り合いなんっすか!?」
すっかり興奮気味の高岡くんは先生をキラキラとした目で見ていた。
「原田くんは僕の同級生です」
「蒼井……せめて友達って言ってくれ」
先生の言葉にタメ息をつきながら原田選手は訂正を求めていた。
先生のお友達か。
私はチラッと原田選手を盗み見る。
服の上からでも分かる筋肉質の体。
日焼けして黒くなった肌。
いかにもスポーツ選手って感じだ。