アイドル君と私


「なになに?なんかあったの!?」


望が興奮しながら、咲の向かいに座った。


「いや…何もっ、何もないけど…」


「けど…?」


「あのさ……私、決まったんだ…気持ち」


「えっ…?そうなの?」


「うんっ…最近自覚したんだけど」


「そっかぁ?で……その相手は?」


望は黙って事務室を指差した。


それに対して、咲はゆっくりと首を振る。


「そっかぁ―…じゃあ、やっぱり意中の人はあの人気者くんかっ…」


その望の言葉に対して、咲はゆっくりと頷いた。


「でも…自分の気持ちは分かったけど、廉くんには言うつもりはないのっ」


「えっ…?どうゆう事?」


「あっ、ほら…私なんて相手にならないだろうし、それに彼には…」


……好きな人が…?


「えー!?何よそれ―っ」




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