アイドル君と私


「まぁ~親しかったのは間違いないかもしれないけど、その週刊誌には決定的な写真も載ってなかったし、双方の事務所も即否定したしね?」


望の言葉に咲は少しホッとする。


「…そうなんだ?」


「うんっ、でもまぁ…噂されるって事はちょっと危ないわけで、要注意!ってことっ」


「よ…要注意って…」


「それにきっと、高沢比奈は廉に気がある!」


そう言って望は咲にズイッと寄る。


「えっ…そ…そうなの?」


「多分ね?私の感!」


「ははっ…」


また“感”なのね…?


咲がそう思っていると、
望が掛け時計を見た。


「あっ!もう上がる時間だっ」


「えっ?あっ…ホント」


望が雑誌を片付けながら、再度咲に口を開く。


「とにかく、気をつけなよっ咲」


「えっ?」


「この再共演を機に、何かあるって可能性もあるんだしっ」


「えっ…?“再共演”?」



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