アイドル君と私


朝ー。


廉が目を覚ますと、咲がいない事に気づく。


「…咲…?」


廉が身体を起こし、洋服を着てリビングに出ると、テーブルに小さなメモ紙が置いてあった。


そっと、手に取る。


そこには…



『廉くん、

今までありがとう。


幸せでした。


ーさよならー 』



「……っ!!」


廉はすぐに玄関に向かい、
そのまま外へ出ようとすると、


♪♪♪♪〜


廉の携帯が鳴り、慌てて携帯を取り画面を見る。


しかし、着信相手は咲からではなく、
マネージャーからだった。


気を落とす廉が電話に出ると、
“あと10分で着くとのこと”


それに対して廉は、


「時間っ!送らせられないっ!?」


「えっ!?なに言ってんの?今日は番組の会見がある大切な日だよっ」


「……っ…そ…そうだよね」


マネージャーからの電話を切り、
ハッとした廉はすぐに咲に電話をかける。


……が、繋がらない。


急いでメールを送る廉。


そして支度をして、
仕事に向かう車に乗った。


移動中の車の中で…廉は思った。


どうして…。


止められなかったんだろう…?


昨日の、彼女の迷いと…。



…決断に…。



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