アイドル君と私


「でも……俺っ…」


「……明日なのっ」


「…えっ…」


「明日…咲が返事するつもりなのよ…?」


「……っ!」


「…廉に、気持ちがあるなら…お願いっ」


廉は少し…考えてから、唇を噛み締め、
出口の方に背を向けた。


廉の気持ちを察して、望が口を開く。


「廉っ、咲の居場所っ…!」


望の声に廉は振り向き、


「大丈夫っ、知ってるからっ!」


そう言って廉は足早にお店を出て行った。


そんな廉を見て望は…
ニヤリ…と、口角を上げる。



< 528 / 545 >

この作品をシェア

pagetop