感情方程式。
4時間目を終えるチャイムが聞こえた。
あと2時間か…。

「あー職員室でも戻るか。」

だるそうに身体を伸ばす先生。
私は立ち上がり持って来ていたカバンから昼食を取り出した。

「今日は気分が良いから、5,6時間目は授業に行く。」
「そうか。よろしい。」

私の頭をくしゃりと撫で、くるりと身体を入口に向けたとき…

「じゃあ、放課後ね。奏太さん。」

私なりの、精一杯の笑顔でそう伝えた。
すると歩こうとしたはずの先生が戻ってきて、また本棚の陰に隠れてキスしてきた。

「最後に可愛いことしてくるのずるいからダメ。行けなくなっちゃう。」
「そんなこと言ってないでとっとと行って。」

真顔でそう言うと、「覚えてろよ。」と言いながら出て行った。
関わってから間も無いけれど、これで良かったのだろうか。
でも、彼のことはなぜか信じれる。
何で?って聞かれたらわからないけれど、そんな気がする。

「お腹空いた…。」


私は取り敢えず、昼食を摂ることにした。

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午後は教室に戻り授業を受けた。
集中はするものの、やはり思い出して顔が火照る。
その分、帰りのことも何だかんだ楽しみになってきていた。

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無事終えて、携帯を見ると留守電が入っていた。

《図書室で待ってて。》

その一言だけだった。
…迎えに来るということか?
取り敢えず私は向かうことにした。


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