オフィス・ラブ #3
柔らかく、ゆっくりと、確かめるみたいに
唇を合わせて。


たっぷりと温めあうかと思えば。

ふと離れて、様子を見るように軽く触れてくる。



新庄さんの得意な。


伝えたいのは、愛情以外のなにものでもないと。

わからせてくれるような、キス。



されるがままだった私は、ようやくそこで、抱きしめ返すということを思いついて。

両腕を、スーツの背中に回した。



焦がれていた、その感触に。

痛いほど胸が鳴って。

片手に携帯を握ったまま、加減も知らずにしがみつく。



新庄さんの腕に、力がこもる。



何にも邪魔されないように。

きつく、きつく抱きあって。



でもどこまでも優しい、キスをする。





唇が離れた一瞬に。



会いたかった、と。





愛しい声が、ささやいた。





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