イジワルな君と私との恋愛事情

結side2

ずっと高ちゃんのことが好きだった私。

それが、今は、蒼のことを考えてしまっている。

私、一体、どうしたんだろう?

わけの分からない不安な気持ちが押し寄せる。

でも、一度、自覚してしまった『想い』を、そう簡単に消せるはずもなく、数日が過ぎた。

そして、今度は、意外な『形』で、自分の気持ちを自覚させられることとなる。


私はある日、同級生の男の子に、呼び出されていた。

「紅林結さん、俺と付き合ってくれませんか!?」

え!?

私、『告白』されてるの?

うっ、ウソでしょう?

その時、ガサッと茂みから、人影が現れた。

その人物は、『蒼』だった。

蒼は、私と男の子を見て、状況を察したらしい。

何も言わず、その場を立ち去ってしまった。

ズキンッ!!

私は胸の奥が傷んだ。

蒼、どうして、何も言わないで行ってしまったの!?

その時、私に告白してくれた男の子は、

「紅林さん、大丈夫?」

心配そうに尋ねてくる。

「えっ!?」

私は、男の子にそう言われて、初めて、自分が涙を流していることに気が付いた。

「あっ、あれ!?私、なっ、何で、涙なんか‥‥‥‥。」

でも、溢れ出てくる涙が止まることはなかった。

どうして!?

私、泣いてるの!?

そこで、初めて気が付いた。

私、蒼が何か言ってくれるのを待ってた?

そして、確信してしまった。

私、『蒼』のことが『好き』!!

自覚した途端、顔が赤くなるのを感じた。

その後、その男の子には、『ごめんなさい!!』と言い、私は家に帰った。


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