麗雪神話~理の鍵人~
「ちょっと! やめなさい! あなたたち!」

突然場に乱入してきた少女の姿に、男たちはやや面食らった様子だ。

「なんだあ? お前」

「神か? それとも俺たちと同じ人間か?」

セレイアは驚いた。

(こいつら、人間なんだわ!)

「はなせ! はなせぇ!」

小さい生き物は言語を話せるようだ。身をよじり、彼らの腕から逃れようと暴れている。

「やめなさいよ! いやがってるじゃない!」

「うっせぇ! 女、邪魔するなら貴様をたたっきる!」

どうやら血の気の多い輩のようだ。

(一度痛い目に遭わせなきゃだめなようね)

そう決めたら、あとは早かった。

セレイアは鮮やかな槍さばきで、男たちの首の付け根に柄を叩き込み、全員きれいに脳震盪を起こさせたのだった。

男たちが倒れた後、襲われていた小さな生き物を目にして、セレイアは目を真ん丸にしてしまった。

なぜならその生物が、見たことのないような姿をしていたから。

いや…見たことはある。

大昔、まだ幼い頃、物語の中によく出てきた「あれ」にそっくりだ。

「あれ」とは――――

「…妖精、さん……?」
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