イケメン王子先輩と私。
「あーそうそう、親いねぇから2人だけだな」
「!! ちょっ、……それ先にいってよ!!」
「何、意識した?」
「そっ、そんな訳ないでしょ!!」
「ふーん。……ま、とりあえずあそこの俺の部屋にいってて」
「うん」
私は突き当たりにある部屋に入った。広い……。
「……お待たせ。ベッドにでも座ってて。はい、飲み物」
「ありがと」
私は霰のベッドに座り、ジュースを飲んだ。
「…………」
「…………」
沈黙……。気まずい、何か話題を……。
「……あの、霰」
「――決ーめた。今日から俺の彼女になれ」
「――……え!?」
「……わかったか?」
「わかったかって……な、なんで!?」
「お前がまた痛い目に遭わないようにずっとそばにいてやらねぇといけねーし。……な?」
「で、でも……きゃっ」
霰はそういって私を押し倒してきた。そして霰は悪戯な笑みを浮かべた。
「大丈夫、すぐ俺の事好きになるから」
「〜〜っ!!」
な、なんで!?霰にこんな事されてるのに、嫌じゃないなんて……。私、どうかしてる……!!
「雫……」
「や、やめっ……」
霰が顔を近づけてきた瞬間、玄関のチャイムが鳴った。
「――誰だ?」
そういって霰は玄関に向かった。……って、もう夜!?早く帰らなきゃ……。そういって私も玄関に向かった。すると玄関には霰と女の人が立っていた。
「あーくん! 久しぶり〜、大きくなったね!!」
そういって女の人は霰に抱きついた。だ、誰この人!?まさか……彼女!?
「ちょ、痛い、苦しいよ……母さん!!」
……え、霰のお母さん!?若い……!!
「……あら? そちらの可愛い子は? ……あっ、もしかして霰の――」
「あっ、霰と同じ高校の星空雫です! お邪魔しました〜っ!!」
そういってお辞儀をして霰の家を出た。……霰のお母さん、きれいな人だったな……。