イケメン王子先輩と私。

「雫ーっ、一緒に帰ろー!」


「うん、……あっ、ごめん奏、今日はちょっと……」


「ハイハイ、わかってるよ。王子でしょ?」


う、バレてる……。さすが私の親友。12年間一緒だしな……。


「うん、じゃあね奏。今度は一緒に帰ろうね」


そういって私は急いで4階の図書室にいった。まだ霰はきてないのかな……。そう思った時。


「遅いぞ、雫」


後ろを向くと、霰が腕を組んで立っていた。


「霰……!! なんで私の後ろに?」


「あー、校舎走りまくってランニングして雫の事待ってた。……にしても、冬服あちぃなー、もう5月だぜ?」


そう言いながら霰はブレザーを脱いだ。確かに私も暑いかも……。


「じゃ、早速やるか」


私達は本棚にある本を整頓した。あれ、この本……分類されてる番号が違う……。そう思って取ろうとするが、本がある場所が高くてなかなか取れない。あともう少し……!!その時だった。


「――っっ!!」


本はとれたが、脚立に乗っていた私はバランスを崩して転んでしまった。


「……うん? 痛くない……」


「おい、……大丈夫か?」


「え? ……うわぁっ!!」


霰が、私のしたにいたのだ。……助けてくれたの……?


「ったく、気ぃつけろよ。こういう高いところにあるのは俺がやるから」


「うん、……ありがと」


そして1時間後。本の整頓が終わり、私達は帰った。……そういえば、すっかり忘れてたけど明日は文化祭だ。私のクラスはメイドカフェだったっけ。霰のクラスは何だろう?……たまには私から電話してみようかな。


『……もしもし』


「あ、霰? 私、雫だけど」


『雫? 珍しいな、お前から電話なんて。どうした?』


「明日の文化祭で何やるのかなーって思って……」


『んー、……秘密。雫のクラスは?』


「じゃあ私も、秘密。前半と後半、どっちの担当?」


『後半。短いし』


「後半かぁ……じゃあ一緒にまわれないね」


『いいじゃん別に。お互い何の店かわかるし』


「そっか。……じゃあそろそろ寝るね、おやすみ」


『あぁ、また明日な』





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