君だけに贈るラブソング



ハッとして目を開けると目の前には心配そうに私を見つめる春人の顔が。


肩で息をしている自分に、そして顔をびちゃびちゃにしている涙に、胸が苦しくなる。


イヤな夢……っ。


すごく怖かった……っ。



「ううう……っ」



泣きじゃくる私を春人は優しく抱き寄せる。
春人の大きな身体が私の小さな身体を包み込んでくれた。


……春人……っ。



「……大丈夫だから」


「……っ……」


「落ち着いて」



左手を私の後頭部に。
右手を私の背中に当て、優しくさする。


その子どもあやすような優しさが心に沁みて、少しずつ落ち着いて来る。



「……春人、ありがと」


「うん。こっちおいで」



ーーギシッ……。


ベッドのお布団の中にふたりで入る。
そして春人が私のことを優しく抱き寄せた。
密着する身体。
春人の鼓動が、よく聞こえる。


春人……?



「これで寂しくない?」



春人の言葉に胸がいっぱいになる。



「うん、あったかいよ」



……ありがとう、春人。


私のこと、拾ってくれて。



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