君だけに贈るラブソング



パタンーーと、ドアが閉まる音がして途端に室内がシンと静まりかえる。
ペタンと床に座り込むとチカラが抜けた。


なにかを言いかけてやめた春人。


……春人、わかってくれたのかな。


わざとひとりにしてくれた……?



「……っ……」



なんて優しい人なんだろう。


無表情なのに。

言葉の数だって、多くないのに。


人の気持ちに敏感で、とてもとても温かい人。


……すこしずつ高ぶっていた気持ちがおさまってくる。


こことも、もうおさらばなんだね。


お姉ちゃんとの思い出がたくさん。


この家の契約も、解除しなくっちゃ。


家具も捨てて、今度またお姉ちゃんの荷物も取りに来よう。


とりあえず必要なものだけ……。


これから私、どうなっていくのかな。


ねえ、お姉ちゃん……。


私、不安だよ……。



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