天紅〜伝説の2人〜
第1章

大魔王には逆らえない


楓side


父が放つ言葉を理解するのには時間がかかる。
毎回のことだ。


しかし今回は理解ができない。


いや、違う。理解したくない。



「おい、楓聞いてんのか?」

『...いやちょっと待って』


ちょっと整理しよう。
今何て言われたっけ。


いや、なにも言われていない。
そう思おう。



あっそうだ!とか、いいこと思いついた!とかその後に出てくる要件はいつも理解不能。



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