First Kiss〜先生と私の24ヵ月〜

Chap♪4 運命のいたずら

夜になり、いつもより早く帰ってきたあきは姉ちゃん、かずは姉ちゃん、お父さん、お母さん、私、そして春雪の6人で食卓を囲んだ。

母親は、いつもより豪華な料理を作り、特上のにぎり寿司を頼んでいた。
キッチンの8人がけの食卓テーブルは豪華な料理で埋め尽くされた。

「いや、思っていた以上の好青年だね、春雪君は」

「そんなことないですよ」

「お父さん、ハルユキがもうお気に入りみたいね」

あきは姉ちゃんは春雪の隣で、笑った。

私はそれを見て、全身が総毛立つような怒りを覚えた。

ハルユキなんかじゃない、シュンセツなんだ。

私はお姉ちゃんなんかよりもずっと昔から春雪を思ってきた。

私より後に現れて、ハルユキなんて馴れ馴れしく呼ばないでよ。

いらだたしさから、つい、表情が険しくなる。


「そういえば」

あきは姉ちゃんが思い出したように、つぶやいた。

「ハルユキの赴任した学校っていろはの高校なの」

あきは姉ちゃんは私を一瞥して、少し勝ち誇ったような笑みを浮かべた。
そして歯の浮くような言葉を継げた。

「大事な妹をよろしくね、ハルユキ」

「そうよ、ハルユキさん。いろはは甘ったれだから厳しくお願いね」