理想の彼氏


『有紗…あんた最高!』

有紗は、は?という顔を
こちらに向けて
化粧をしだした

『ちょっと私、
彰に電話してくるから』

有紗の、はいよ~
という声を背中で
聞きながら、いつも
人気の少ない
廊下に走った

プルルルルッ‥‥プルルルルッ‥‥
プルルッ‥

《はい》

『彰?あのね、
私達のクラス、
コスプレカヘェだったあ』

《コスプレ?》

『そう、コスプレ‥‥
私はセーラー服だし』

《…おい、他の男も
来るんだよな?》

『え?うん』

《…はぁ……
俺が着いたら
電話するから
一階のトイレに来い》

『は?なんで?』

《いいから
じゃあ後で》

ブチッ

な、何?
トイレって何で??

モヤモヤしながらも
教室に帰った


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