理想の彼氏



『何?他に彼氏でも
いて欲しかった?』

少し拗ねた顔で
奈々が聞いてきた

「いや、ただびっくりして…
そうか‥じゃあ全てが
俺が初めてなんだな」

そう考えると、なんだか
嬉しくてたまらなくなった

『そうだよ。
理想な人に会うまで
私、待ってたんだから』

そう言う奈々が
愛しく思えて
思いきり抱きしめた

「俺も…好きな人と
付き合ったのは初めて」

『ばーか…』

ぼそっと奈々が言った
“ばか”が大好きに聞こえた

普通の学生がするような
付き合い出来ないから、
奈々に寂しい思いを
させているかもしれない

だけど、学生じゃないから
出来る事をたくさんして
あげたいと思う

どうかこの幸せが
終わりませんように、
なんて願ってしまう俺は
かっこ悪いだろうか…


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