血だまりの少女
《3》
再び絵画の部屋にやって来た。
赤野が『最後の晩餐』と私を交互に見つめる。
「な、なに……?」
眉を寄せて考え込んでいる赤野に首を傾げる。
「肩車しても手が届くのかなって」
「確かに微妙な高さね。でもやってみないと分からないわ」
「じゃぁ俺が土台やるから、折笠さんは上に乗って」
赤野は持っていた青い目玉を私に手渡し、イエスの前に跪いた。
「重くても文句は受け付けないからね」
私は跪く赤野の背中に声を掛け、左足を上げて肩に太ももを乗せた。