切れた・・絆

•••妊娠


翌日、二人で産婦人科へ。

鈴のみたて通り、
私は、妊娠四ヶ月
もう、五ヶ月に近い。

独身の佳希に先生は、
「どうしてもと言うなら
        堕胎をする」
と、言ってくれて
「赤ちゃんを望まれるなら
次回に母子手帳を取り寄せて下さい。」
と、伝えてくれた。

私の赤ちゃんは、
エコーでもはっきり確認出来て
心臓もトクン、トクン、と動いていた。

まだ、目に見えない我が子だが
佳希は、愛おしかった。

鈴は、佳希の気持ちが直ぐにわかり
佳希の手をとって涙を流し

「佳希、私も協力するよ。
   ちびの第2のママになる。」
「ありがとう、鈴。
    本当に、ありがとう。」
二人で、鈴の家に帰った。

佳希は、酷い悪阻もなく
ただ、身体がダルい日々があった
先生は、
それが悪阻ではないかと
言っていた。

事務長と小児科の先輩方には話を
するしかなかった。
未婚の母だが、仕方ない。
私は、この子を産みたいのだから。

事務長は口の固い優しい人だから
大丈夫だ。
「鈴。
真飛さんには、まだ返事をして
いないけど断るよ。
心の子を妊娠している、
私が側に居て良いはずない。」
と、考えながら言うと
「いいの?佳希。
星野先生を好きになっていたんじゃないの?
星野先生の前だと、素をだしていたから
でも、あの男、簡単にひかないよ。
きっと。」
と、話していると

電話が‥‥‥‥

····噂の·····真飛さん·····だ。

「はい。」
「佳希、お前、どこにいる?
昨日も、帰ってなかっただろ?」
「はい、鈴の所に。」
「なぜ?木之内のとこに?
何かあったのか?」
「いえ、話がしたくて。
それより、先生、何かご用でも?」
「真飛だ。
今から迎えに行く
そこにいろ。いいな!!」
と、返事する暇なく切られた。

鈴は、ほらね。
って顔しながら
「行っておいで」
と、言った。
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