生徒に恋しちゃいました
目の前にはびっくりするような綺麗な
顔立ちの男子生徒が立っていた。


金に近いくらいの明るい茶髪に、
耳には輪っかのピアスが二つ。

色素の薄い茶色の瞳に、
すっきりとした鼻梁。

形のよい唇が動き、声を発する。

声は意外に低く、男らしかった。

「中学生か高校生か知んないけどさ、ここ男子校。一本道向こうの桜木女子と間違えてない?」

「は?」

「いや、だから、ここは男子校なんだって」

ん? 私、生徒と間違われてる??

たしかに童顔だってよく言われるし、化粧も下手だし、背も低いけど・・・

今日はスーツ着てるのに!?

「・・・先生です」

「なに? 声小さくて聞こえなかった」

「わたし、この高校の先生です!」

思わず大きな声で叫んでしまった。
今度は聞こえたはず・・・

「そっか!なかなか面白い冗談だね。けど、急がないと学校遅刻しちゃうよ?」

綺麗な顔の男子生徒はにっこり笑って、幼い子供に優しく言い聞かせるように
そう言った。

完璧に中学生だと思いこまれてる。
私は短い溜息をつくと、彼から目を逸らし進行方向にむかった。

もういいや・・必要以上に男と会話することないし。

私は彼を無視し、歩き出した。

この勢いで職員室まで一気に行こう。














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