生徒に恋しちゃいました
「なにやってるんだろう、私」

結城くんから逃げて、クラスに戻る訳にもいかず、人の少ない旧校舎裏まで来てしまった。

もうすぐ学園祭のハイライトであるミスターコンテストが始まるので、うちの生徒はもちろんお客さんもみんな体育館に向かっているようだった。


「クラスの皆と結城くんの応援するって約束したし、戻らなきゃ」

そう口には出してみたものの、足はなかなか動かない。


我ながら、どうしようもない馬鹿。


結城くんに好きな人がいるって知って、ようやく自分の気持ちを自覚した。

失恋確定した直後なのに、うっかり告白まがいのこと言っちゃって・・・


そもそも、一番大事な事もすっかり忘れてる。

決定的にどうにもならない事があるじゃない。


「私は先生で、結城くんは生徒なんだよね」


「だから? それが何?」


空に向かって呟いた独り言に、思いがけず返事が返ってきた。

「うわっ。 結城くん!? 」





















































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