マエストロとマネージャーと恋と嫉妬と
そうです。(志村けん風に)

告白を受け入れると言う選択はございません。


だからこのままうやむやな感じにするのが、一番良いと思っている。

思っているのだが…。


パソコンに目を落とす私に向けられる、あからさまな視線。
メデューサじゃないけど、石のように固まってしまいそうだ。


うわー、見てる。見られてる。
気付いてないフリをしても、目線を合わせない
限り、ずっとこのままなのだ。


で、結局私が顔を上げて苦笑いする。
マエストロは満面の笑みをこぼし、アナリーゼ
の為に(曲の構造を理解する事)弾いていたピアノを、再び弾き始める。

…しんどい。


私何かしたっけ?
手を繋いできたり、見つめてきたり。


うやむやにしかしてないよ、態度。
何も言ってない。


…はずなんですけど…。


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