マエストロとマネージャーと恋と嫉妬と
職業は指揮者。コンダクター。
作曲者の意図、表現したいことを譜面から読み取り、時代背景や自分なりの解釈を加え、それをオーケストラで表現する。


この仕事をするようになってから気づいたのだが、オケの団員は指揮者をあまり見てない。


じゃ居なくてもいいんじゃないの?って思わなくもないけど、ここぞと言うタイミングの取りづらい箇所はちゃんと指揮者を見ている。


指揮者は本番の演奏よりもその前、練習の段階のほうが、その力量を問われ、多い時は100名近い人数の音楽の方向性を一つにまとめ上げなければならない。


中には年配で、大学で教えているような立場の演奏者もおり、そんな人達は頑とした矜持を持っているだろうし、意見を擦り合わせる事は大変だと思う。


80代の指揮者もまだまだ活躍するような世界で、マエストロはまだ、えーっと、…まだ……、
まだ、

…検索中…

33才の若さだ。


そんな若さでも、相手の懐に入り込み団員と上手くコミュニケーションを取ることで、歴史あるオーケストラとも渡り合ってきた。

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