マエストロとマネージャーと恋と嫉妬と
【答えのない質問について】

指揮者として失敗したエピソードは無いだろうかと探した所、やはり初めて振る曲だとある、という文章を目にし、じゃあ馴染みのあまりない現代曲にしよう、という事に。


更に小澤征爾さんが、「アイヴスは実際に音を出してみないことにはどんなハーモニーか分からない」と仰っていたのも読んで、じゃあアイヴスの曲にしよう、と。


N響の何年か前のプログラムに、アイヴスの答えのない質問、プロコフィエフのヴァイオリン協奏曲1番、ブラームスの1番というのがあったのでそれを参考にヴァイオリン協奏曲をピアノ協奏曲に代えて話の中で登場させる事に。


話の中では、簗瀬氏が勉強したつもりだった曲が、リハーサルで振ってみると分からなくなってしまい、そこから段々とおかしくなっていった、という事にしておりますが、実際に曲を聴いてみれば、7分位の曲ですし、複雑という程ではないと思います。


小澤征爾さんが指していたのは、交響曲とかだと思うのですが、アイヴスの交響曲をプログラムに組んだとすると、他にどんな曲を一緒に入れれば良いのか分からないので、N響のプログラムにあったものをそのまま参考にしてます。


プログラムの組み方は音楽監督さんが決める様ですが、どういう意図があるのかは良くわかりません。それぞれのセンスの見せ所的な感じもあるかもしれません。


という事で、(どういう事?)アイヴスの曲は
実際とは違う感じで書いております。
話の上でのフィクションとして捉えて頂けるとありがたいです。

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