元通りになんてできない
迫る≠セマル

徐々に挙式の日が近づいて来た。

衣装合わせもマナミは迷いに迷い、中々決まらず…、それに比べて俺は簡単なものだ。
まあ、男だし。さほど興味も無いし…。何でもいい。

披露宴の出欠確認も終わった。
…もう、後戻りは出来なくなった。
式を挙げたら席を入れる。


「どう?マリッジブルーは、無くなった?」

お互い早めの出勤もあって、朝の給湯室での会話は、ほぼ日課に成りつつあった。

「あー」

そんな事、聞かれても、元々マリッジブルーとは違うものだと俺は確信しているから。

「いや〜、…もう、よく解らないです。ただ、責任に潰されそうな、そんな気分です…」

「そう…。結婚前の気持ちは忘れない事ね。
困難な時、思い出せば頑張れる事もあるし。いつも順風満帆て日ばかりでもないから…。
どんな夫婦にも、大なり小なり…、色々あるものよ。
なんて…、先輩ぶってみてもね。こればっかりは問題が生じてみたいと、どうなるか解らないし…。まあ、誠実に、思いやりを持って頑張ることね」

「…よく言いますよね、結婚はゴールじゃなくてスタートだって」

< 28 / 191 >

この作品をシェア

pagetop