元通りになんてできない

翌日、仕事から帰ると、テーブルに置いてあったマナミ宛の明細書が無くなっていた。
あー、居ない間にマナミが取りに来たんだと思った。
そう思っていたら、マナミから電話が掛かって来た。

「さっき郵便取りに行ったら無かったけど、どこに置いてあるの?」

「言っといただろ?テーブルの上に置いといたけど?」

「嘘よ、無かったもん」

「いや、確かに置いておいた。間違いない。
マナミが取りに来るって言うから、解りやすいように置いといたんだ」

落ちたのか?テーブルの下を見たが無かった。

「だったらなんで無いの?何処にいったの…」

「…俺には解らん」

「…あっ、…お母さん、お母さんかも知れない…、だって鍵、持ってるから…」

「はあ?鍵って、何だ?」

「…ごめん。猛に言ってなかった。…マナミ、お母さんに合い鍵作って渡してあったから…」

「…。でもお義母さんは、鍵を持ってるからといっても、黙って入ったりしないだろう?」

「解らない。けど、…ごめん…。マナミが、いつ入っても良いって言って、渡してあったから…」

「それって…。…じゃあ、お義母さんに連絡してみれば?ひょっとしたらお義母さ」

プ。あ、切れた…。

…何だよ。…何なんだ。……。
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