現代☆学生源氏物語
◆藤壺◆


初恋の始まりー。

光る君。

とても、笑顔が眩しくて、蝶のようにひらりと舞うかの如く、輝いてた光る君。

光る君は幼い時から女子からモテていた。

あの時は、スポーツが出来れば、カッコいいという時代だった。
そして、その時代(とき)のスポーツは、チームワークプレイだったので、
光る君は、運動が苦手なコとかは色々サポートしたりしていた。

女子の間では光る君を片思いするあまりに
消しゴムに好きな人のイニャルを書いて、使い切ると片思いが叶うというおまじないが流行っていた。

そのおまじないで、相手はオレだな。と、光る君本人は知ってた。(笑)

そのおまじないはどうなったのだろう…。
そのお話はまたいずれにしとこう。


光る君には歳の離れた弟がいた。
そして、光る君は母上を慕っていた。

しかし…光る君は母上と離れて暮らしていたため、
母上からの愛情では物足りないまま育つ。

光る君はいつもの生活でも、モヤモヤが残り、満たされる事は無かった。

ある日…。
幼き光る君は夜中、何だか眠れなくて目覚める。

「あれ…?父上と母上がいない。」

光る君はどこにいるだろうと思い、周りを見回ると、
隣の部屋のドアの隙間から光が溢れていていた。

光る君は何だろうと思い、そのドアの隙間からのぞく。

その時に、光る君は父上と母上が1つになっている所を目撃してしまう。

「あっ…」

その日を境に光る君は男と女について、

「おれも、恋愛沢山したいな…。」

と、光る君は未来を想う。







そしてー。

時が経ち…

光る君は成長していった。

光る君は成長していても、とても笑顔が儚(はかな)く、可愛かった。
光る君をひっそり想う女達が多くいた。

光る君が振り向けば、眩しくなりそうな笑顔で、とてもたまらない…!

ある日…、光る君はある姫君に恋をした。
ある姫君の名は藤壺と呼ぼう。

光る君は多くの女達に慕われていた分、
女からは、恋愛目的が多かった中、藤壺だけは、他の女達と違っていた。
藤壺は、光る君に対して、友達のように接していた。

藤壺はとても明るくて、面白い人で、誰でも仲良く出来る姫君だった。

光る君は藤壺のそういう所に惹かれていた。

そしてー。

光る君は藤壺に恋に落ちた。

光る君は藤壺に恋してしまった以上、藤壺に対して特別に優しくしていた。

藤壺は最初はいつものように接していたが、
なんだか、妙に光る君の態度が違うと気づく。

日々が過ぎる度に、ますます、

光る君が藤壺にピッタリついてくるようになっていた。

「まさかね…」

そんな光る君の態度に対して藤壺は不安がよぎった。
時には光る君は藤壺に喜んで欲しいと思い、プレゼントを渡した。

「藤壺、これがおれからのプレゼントだよ。」
「ま、とりあえず、ありがとう。」

光る君からプレゼントを貰った藤壺は戸惑う。

「光る君…」

藤壺が光る君を見つめると、光る君はふわっと眩しいような笑顔で応えていた。
藤壺は最初は光る君の美しさに惹かれていた。
でも…藤壺の心の中では…、

「光る君…。私は…、光る君…、あなたの事を…。
愛してしまいそう…!
でも…!」

藤壺は光る君の事を愛してもいいのか…?と…悩んでいた…。

悩んでいた理由はモテている男子を彼氏にすると女は嫉妬してしまう法則がある。
藤壺はとにかく、女の嫉妬に巻き込まれたくない想いがあった。
女同士の恐ろしさを光る君はその時は知らなかったが、いずれ知るだろう…。

そんな藤壺対して、光る君は

ある日、告白をする。

「藤壺。おれはお前のことが好きだ。」

光る君はその想いを藤壺に幾度も伝えた。

が…。

藤壺は、いつまでも返事をしなかった。

藤壺の心の中では…、

「光る君と愛し合い…、共になっても…、幸せなのか…?
それとも…。
普段と変わらない毎日なのか…?」

と悩んでいた。

「藤壺…。」

そんな藤壺に対して光る君は彼女を包むように優しくしていた。

「…!」

それでも、藤壺は光る君を拒否し続けた。


何度も、告白やプレゼントをする光る君。
それでも、光る君の事を拒む藤壺。

何度も、拒まれた光る君は
ある日、耐え切れず、藤壺を後ろから抱きしめる。

「藤壺…!おれはお前の事を愛しているよ。」

と、再び、告白をする。
そして、光る君は、いとおしそうな目で藤壺を見つめ、口づけしようとするが…!?

「光る君…!」

いきなりの事に驚いた藤壺は思わず、光る君を手で突き放し、拒んでしまう。

「光る君…。ごめんなさい…!」

突然の事に対して光る君は戸惑う。

「藤壺。どうしたの…?」

藤壺は震えていた。

「ごめんなさい…。私…、光る君、
あなたを愛することは出来ないわ…。」

藤壺は光る君に抱きつかれた瞬間、
光る君の愛は受け止めれないと感じ、光る君の愛は受け止めないという形を選ぶ事に…。

「藤壺…!
なぜ、おれの事を拒むんだ…!?」

突然の事に、光る君は傷つく。

藤壺が、光る君の事を拒んだ理由を、光る君は知らないまま…。

それ以来、藤壺とは、顔を合わせる事はあっても、

藤壺と二度と恋する事は無かった ー。
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