BEAST POLICEⅢ
「それが本当なんスよ巽さん。交番の裏にカエルの噴水があって、その横の広場んとこにいつも外国人が立ってるんスよ」

早口でそう言う男。

更に。

「ソイツね、気紛れにクスリ以外のブツも売ってくれる事があるんス」

「クスリ以外のブツ?」

巽が怪訝な顔をした。

「ええ、時々向こうから持ち掛けてくれるんスけど、欲しい銘柄とこっちの住所を教えて金払ったら、送ってくれるんス」

「…何を」

巽の質問に、男は人差し指と親指を立て、残りの指は折り曲げて見せた。

このサインが意味するもの。

「馬鹿言え」

その時は巽も一笑に付した。

元シャブ中の戯言だと、相手にすらしなかったのだが…。

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