コールセンターの恋愛事情
セミが激しく鳴いている。

「暑い…」

たった今、すぐ近くのスーパーマーケットで買ったホットケーキミックスと牛乳を片手にわたしはコールセンターへと戻っていた。

おつりは好きなように使っていいと言うことなので、無糖の紅茶を買った。

早く冷房が効いているコールセンターへと帰ろう。

そう思っていたら、
「あら」

「あっ、どうも」

松本さんとばったりと会ってしまった。

彼女の手にはコンビニへ行ってきたのか、袋があった。

「お昼を買いにきたの?」

そう聞いてきた松本さんに、
「いえ、買い物を頼まれました」

わたしは首を横に振って答えた。
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