恋の六法全書~姫は王子のキスで~
「……わあっ!」
その状態のまま、いつのまにか眠っていたようだ。再び目を覚ますと、目の前に求くんの顔があった。求くんは私の体に覆い被さるようにして、こちらの寝顔にじっと目を向けていたようだ。
「ごめんね。つい、うたた寝しちゃった。もしかして、起きるまで待ってくれたの? 起こしてくれて、良かったのに」
私の両足はすっかり乾いていた。足元が砂浜に触れる度、さらさらとした感触がある。
「……」
求くんはなぜか、私の問い掛けに返事もせず、そのままの体勢でいる。