現夢~ウツツノユメ~
次に耳にしたのは、母親の言葉だった。


「この子はもう…本当に心配させて。
周りにどれだけ迷惑をかけたか
わかっているの?
まったく…無事だったから
よかったものの、一歩間違ってたら
大事に至るところだったんだよっ!?」

「…ごめん、母さん…」

「…もう、いいわ。
思っていた以上に大したことがなくて
安心したし。
あとはゆっくり眠って休みなさい。

…あ、そうそう。
気絶しているあなたを最初に
見つけてくれた〝お嬢さん〟にちゃんと
お礼を言わないと駄目よ。

…そういえば、あの子…

何処へ行ったのかしら?
病院では見なかったけれど…。」

…あの子というのはおそらく
天原 瑞稀のことだろう。

確証はないが、間違うわけもない。

潤 にはそのことがわかっていた。


ふと、気づくと…そこには

関口 陸人の姿もない…。












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