幸せって、なに
あの頃
 体すれすれに車が行き過ぎた道路上で
瞬間的にまぶたに写った光景があった。

父と母と三人で笑いながら
ご馳走を食べている光景。

美沙希はすくんだ体を立て直し、
現実になるよう一生懸命祈ると、
あの頃を思い出した。

母の呼ぶ声が聞こえ、
母の作る朝ご飯を食べて学校に行き、
仲が良かった友達との会話を楽しんだ
あの頃




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