エリート同期は意地悪がお好き
…て、本当にここに来る気?…待てよ?私んち、司は知らないはず。

じゃあ、どうやってここに来るつもりなんだろうか?

…ところで、何でうちが火事なのを知ってるの??

顔を上げ、キョロキョロと辺りを見渡すと、・・・納得。

某テレビ局の取材スタッフが、カメラを回してるではないか。

まさしく、今liveで、きっとニュースで流れているんだろう。

たまたま通りかかった風のテレビ局のスタッフが、慌てながらの撮影中だった。

…あのカメラには、絶対に映りたくない。

私は、そそくさと、現場を立ち去ろうとした。


・・・あぁ、これから、私はどうすればいいんだろう。

たまたま大事な物は、今日は持ち歩いていたので助かったが、家財道具一式は焼き尽くされてしまった。

眠るところもない。

…誰か、私を泊まらせてくれる友達はいるだろうか?

私は再び携帯を手に取った。

「・・・おい」
「・・・」

「おい、朱莉!」

その声に驚き振り返る。

「…司、本当に来たんだね・‥って言うか、私んちだってよくわかったね」

そう言って笑って見せた。

「…無理して笑ってんじゃねえよ」
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