エリート同期は意地悪がお好き
身支度を整えた私も、出社し、事務をこなしていく。

…司が朝言ってた通り、黒板には、外回りと、書かれている。

司も頑張ってるんだから、私も頑張ろう。そう思えた。


…お昼まで、みっちりデスクワークをこなした私は、社食に向かう。

…今日は、久美は別件で、1人でのランチになってしまった。

同じ営業部には、女子社員がほぼいない。

…いや、私以外にいるのは、アラフォーの先輩女子社員で、他のアラフォーの女子社員といつもランチに行ってしまうから、一緒にランチなどとった事がない。

それに、外回りの人が多いから、外で食べてくる人がほとんどだ。

「・・・はぁ、寂しいな」

なんてボヤきながら、ランチを食べる。

「…となり、いいですか?」
「…へ?あ、どうぞ…ぁ」

私の隣に座ったのは、…黒川部長だった。

…あの一件以来、極力黒川部長を避けてきた。別にセクハラをされたわけじゃない。

髪に付いた糸くずを取ってくれただけ。

それだけなんだけど、嫌悪感を感じてしまった以上、お近づきにはなりたくなかった。

「今日は、1人なんですか?」
「・・・はい、営業部には、女子社員もいませんし、外回りの人が多いから。今日は、一人で寂しくランチです」

そう言って苦笑い。

「…私でよければ、何時でも、ランチご一緒しますよ」
「…ぇ、あ、ありがとうございます」

…笑顔が引きつった。・・・気づかれていないかしら?
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