それは危険なラブミッション
Mission3

①嘘の崩壊



「たまには木漏れ日のランチ以外のものを食べたい」


そう言う夕菜と二人、木漏れ日から歩いて3分ほどのラーメン屋さんへ来ていた。

雑誌やテレビで取り上げられたことはないものの、この辺では美味しいと評判のお店。
昼時ということもあって、20分ほど行列に並んでから、やっと店内へと入れたのだった。

二人掛けの小さなテーブルに夕菜と向かい合って腰を下ろす。
一番人気のワンタンメンの注文を済ませると、会話は自然と、このところの岬さんとの進捗状況になる。
手ほどきを伝授した手前、夕菜は気になるらしかった。


「それにしても、晴れを探しにドライブなんて、岬さんって結構ロマンティストね」


この前の遠出の話を一通り聞き終えた夕菜が笑う。
そして、運ばれてきたワンタンメンにお酢をたっぷり回し入れると、レンゲでスープをすくって口に運んだ。


「本気で探すとは、私も思わなかった」

「莉夏に気持ちがかなり傾いてるんじゃない?」

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