それは危険なラブミッション
そこから始まる恋愛だって、あっていい。
その二人の間に割って入っていいものだろうか……。
……そもそも、あんなに真面目な岬さんが、婚約者を差し置いてまで、この私に興味を持つとはどうしても思えない。
「それじゃ、2千万円の借金を背負う?」
夕菜に痛いところを突かれて、言葉を失う。
うん、と頷きたいのはやまやま。
けれど、今の経営状態でそれは叶わない。
「ところで、その二人って、どういう人たちなの? そんな格好をして会うような人なら、もしかして一般人じゃないとか?」
「一般人のような、そうじゃないような。……ともかく、庶民では……ない」
「庶民じゃないってことはセレブ? 東城寺ホテルクラスの人間なの?」
その通りだ。
私たちとは住む世界の違う、異世界の人たち。
運転手付きのリムジンを乗り回し、身に着けるものは全て高級品。
値段の張る洋服だって、躊躇いなく女性にプレゼントする。
生活ぶりは岬さんも同じような感じに違いない。