焦れ甘な恋が始まりました
「日下部さん?」
「……っ、」
つい、後ろ向きになって。
私は慌てて、俯きかけた顔を上げた。
そうすればそこには、私の真意を探るように、ジッ、と直向きに目を向けてくれる社長がいて。
その目に今の私の情けない想いを見透かされたような気がして、私は社長の追求から逃げるように慌てて口を開いた。
「しゃ、社長は……っ。どうして最近、遅くまで残ってらっしゃるんですか?」
「え?」
「あ、あの……もちろん、いつもお忙しいのは知ってるんですが、最近はそれ以上にお忙しそうなので……」