青空の魔法
それからあとのことは、よく覚えていない。

教室は騒然となり、
救急車のサイレンが聞こえ、
あとの授業は自習となり、
終礼のときに全校放送があった。

校内で不幸な事故があり、一人の生徒が亡くなったこと。

原因はわからないから、憶測で噂を広めないように。特にマスコミ等の取材があっても、決して応じてはいけない。

そんなようなことを、教頭がスピーカー越しに繰り返していた。


こんなときにまで、学校の評判を守りたいんだ…。

この学校らしい勝手な言い草だった。


「受験ノイローゼだったらしいよ」

「ずっと学年トップだったのが、去年あたりから成績ガタ落ちで焦ってたって」

「朝も夜も自習室に貼りついてたって話だ。そんだけやって志望校へ行けないとなると、死にたくもなるだろ」

「けど、まだ夏だぜ? 結局モロいんだよな~、優等生って」


まことしやかにささやく、そんな噂を聞いたのは、帰りの電車の中でだった。
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