黒いジャージ ~先生と私~

私は、洗濯物を自分の部屋に持って行き、たたみながら机の上のおじいちゃんの写真を眺める。

小さい頃からずっとおじいちゃんが一番近くにいた。

だからさ、心に空いた穴がなかなか埋まらなかった。

でも、おじいちゃんの話を高垣先生に聞いてもらえたことで本当に救われたんだ。


おじいちゃんはいなくなったわけじゃない。

ずっと私の中で生き続けているんだ。

これからもずっと支えてくれる存在であることは変わりないんだってわかった。



「おじいちゃん」

声に出して呼んでみた。

これも、おじいちゃんが死んじゃってから初めてだった。

ずっと呼びたかったけど、呼んでも届かないなら呼ばないと決めていた。

呼んだ瞬間、涙が溢れて、声を上げて泣いた。


やっと泣けた。


「おじいちゃん、おじいちゃん・・・・・・大好きだよ」



そこにおじいちゃんはいないけど、絶対に届いてるって感じた。

そこにいる。

おじいちゃんは絶対に、今私を抱きしめてくれてるって。




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