【短編集】とびっきり、甘いのを。
「どう、1人怖かった?」
何のハプニングもなく6ヶ所全部回り終えた俺は、集合場所に戻った。
「怖くなさすぎてつまんねえよ」
「どうせあれでしょ、陽奈ちゃんと行きたかったんでしょ?」
からかうように言ってくる友達たちを、軽く睨みつける。
「うっせ、それ本人に言うんじゃねえぞ」
「はいはい、素直じゃないんだから」
なんて話していると、暗い校舎から出てきた陽奈と爽やかくん。
仲よさそうに笑いあっている2人に、無意識にイラついていた。