【短編集】とびっきり、甘いのを。




ブー、と鳴るケータイのバイブ。

一週間ぶりの“彼”からのメッセージに、眠りかけていた身体を勢いよく起こして、メッセージアプリを起動する。



夜の11時。

遠距離恋愛中の、年上の彼からのメッセージ。





《返信遅れてごめん、忙しくて。
そのうち会いに行くから》





はぁ、とため息をついて、ケータイをベッドに軽く投げる。

私がメッセージを送ったのなんて一週間前だから、何を送ったのかなんてもう忘れちゃったよ。


なんて拗ねてみても何も変わらない。




< 52 / 141 >

この作品をシェア

pagetop