好きの代わりにサヨナラを《完》
この男にも純粋だった頃はあったのだろうか。

あたしばかり攻撃されてる感じがするから、逆に聞いてみた。



「ほのかちゃんかな」

恭平は週刊誌をめくっていた手を止め、完璧に作られたイケメンスマイルをあたしに向けた。



「……そんな訳ないでしょ」

あたしが真剣に悩んでる時に、恭平はいつもと変わらずあたしをからかって遊んでいる。

あたしは呆れて、ため息をついた。



「昔のことは忘れた」

恭平は独り言のようにつぶやいて、パタンと週刊誌を閉じた。
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